2015/03/02

心と体のアンチエイジング

最近読んで、良い刺激をいただいた本についてのお話。





『空腹が生き方を教えてくれる』
ナグモクリニック総院長 南雲吉則 著
サンマーク出版


先日、ふとしたことで「断食」に興味がわき、書店でいくつか立ち読みした際、ちゃんと読んでみたくなって購入した本。この本の著者・南雲医師は、お父様がお亡くなりになったことを契機に、人生観が大きく変わられたご自身の体験談を書かれています。備忘録をかねて、個人的に読んでいて印象に残ったフレーズを書き記しておきます。


たとえば、あなたの人生が、、、

あと3日間の命だとしたら、何をしたい?

「美味しいものを食べる」「ビールを飲む」など、ほとんどの人は、快楽にまつわる行為に身をゆだねるだろう。

あと30日間の命だとしたら、何をしたい?

よく言われる答えは「旅行」。中期的な人生の目標は「非日常」になる人がほとんど。

あと3年間の命だとしたら、何をしたい?

これまで以上に、一生懸命仕事をする、家族との時間を大切にするなど、ほとんどの人は、死ぬ気で生きることを意識すると、日常生活を充実させようとする。要するに、長らく命を生かすというのは、非日常ではなく、日常をいかに大切に生きるか、にある。人生には限りがあるという当たり前のことを自覚して、人生をより充実させることが重要。

たとえば、ささいなことで腹を立てていた家族とも、もっと思いやりをもって向き合いたくなり、ツライ疲れたと愚痴をこぼしていた仕事にさえ、責任を果たしてからこの世を去りたいと願うようになる。イヤなことが多い日常、でも命に限りがあると言われたときにはじめて、その日常こそが人生の意義だったと気づくのですね。

自分もそうでしたが、やはり身近な人が他界し、「死」をとても身近に意識したことで、一度きりの人生、自分も家族もペットたちも、いつ死ぬかなんてわからなんだから、後悔しないように、日々の暮らしを充実させたいと考えるようになりました。

死を覚悟して生きることで初めて得られるのが「心と体のアンチエイジング」。

(実際、歳を召されても、生き甲斐がある方は、イキイキと若々しいですもんね。)



・・・ちなみに私の答えはこう。

毎日、自分のカラダに合った食事を作り、身の回りをきれいに保つために家事をする。好きな仕事を前向きに楽しみ、空いた時間にPCに向かい、心が動いたこと/モノを記録する。母親の体調に気を遣い、恩返しの気持ちをもち、家族写真をこまめに撮る。愛犬との朝晩や休日のお散歩(喜ぶ場所に連れて行ってあげる)、早朝ランニングで体を動かし、ぐっすり体が休む質の高い睡眠をとるetc...

なんてことない平穏な毎日を、自分なりにキチンと丁寧に暮らし、仕事や趣味など好きなことをやり続けるために、良いコンディションを常にキープすること。(ちなみに私の体内年齢は17歳)




南雲医師も、40代の時は、短期的な快楽(好きなものばかり食べる、飲み会で頻繁に夜遅くなる等)にばかり目が向き、それはそれはひどい暮らしをしていたようです。メタボ予備軍だったそうですが、それが今では、見た目が30代に見えるほどの若返りっぷり。人間、生活を改めれば、あっという間に変わるものですね~。



本の中ではイチロー選手の日頃の習慣の徹底ぶりも紹介されていましたが、毎日1本の安打を打ち続けるため、まさに「毎日を絶好調を保つため」に、常に食事に気を使い、毎日同じものを食べ、仕事が終わってからもだらだらと夜遊びはせず、しっかり眠り、一日の疲れをその日に回復できるようにつとめる。故障や病気もせずに、毎日コツコツと努力を積み重ね、充実した日々を送るための、強い信念とプロ意識。住む世界は全く違いますが、学ばせられることは多かったです。


ここ数ヶ月で、「なんでそんなにストイックな生活するの?」と聞かれることが増えましたが、自分でもそこまで明確な目標もなかったので、今まではちょっと答えにこまってたんですね。でも、この本を読んで、すごく腑に落ちました。「あぁ、自分も、毎日充実した穏やかな気持ちで、健やかに暮らしたいから」なんだと。










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その他、心がけた方が良いことメモ。


●血管を若返らせることが病気にならない体をつくる

(1)空腹
人間の生命力を司る遺伝子のスイッチをオンにするための条件が「空腹」。「お腹がグーッと鳴ったとき、脳からは若返りホルモンと呼ばれる成長ホルモンが出て、肌や粘膜が若返る。二度目に鳴ったときには、若返り遺伝子と呼ばれるサーチュイン遺伝子が発現して、体中の遺伝子を修復する。3度目に鳴ったときには、脂肪からアディポネクチンと呼ばれる長寿遺伝子が出て、血管が若返る」

1日3食をしっかり食べるのが健康の基という考えは、成長期の子供には当てはまっても、大人がそのままやっていてはいけない。現代人は、世間でいう普通の食事をすると食べ過ぎになっている。人類の歴史からみても、現代の飽食は異常事態。人間の身体のメカニズムとかけ離れた生活になっている。本来、空腹状態にある方が、身体は上手く働く様に出来ている。だから、ぐぅっと鳴ってもいないのに、ただの習慣で食事を摂るべきではない。


(2)睡眠
早寝早起き。できるだけゴールデンタイム(22時-2時)に眠る(睡眠は量より質)。この時間にぐっすり眠ると脂肪が燃焼して、深部体温も高まる。脳から若返りホルモンと呼ばれる成長ホルモンが出る。

毎朝、日の出を拝むことで、幸せホルモン(セロトニン)が出て幸せな気持ちで居られる(元気になる)、夜はセロトニンがメラトニンに変わり、ぐっすり眠れる。反対に遅くまで起きていると、寝汗をかき、脂肪も燃焼しない。体内時計が狂い、時差ボケ状態になる。「何か疲れたな」という慢性疲労状態になる。

(3)野菜や果物は皮ごと食べる
野菜と果物の皮には、紫外線、酸化、菌やカビなど外敵から身を守るための「創傷治癒作用」「抗酸化作用」「抗菌作用」がある。大根、人参、じゃがいも、りんご、梨、金柑、みかん、柿も皮ごと食べよう。


(4)糖質を控え、食事の量を減らす
「糖質」と「脂肪」。人間が活動するには、この2つの燃料が必要。2つの燃料の、いちばん大きな違いは、燃費の違い。「脂肪」は燃費が良くて、「糖質」は悪い。つまり、「糖質」のほうが、消化吸収をするにあたって、余分なエネルギーが必要。だから、「糖質」ばかりを燃料にしていると、「すぐに疲れてしまう人」になる。

「糖質」が残っているうちは、「脂肪」は燃料にならない。脂肪を燃やすためには、「糖質」を控えてカラにする。そうすると、「脂肪」が燃料になる。そういう状態を意識的に作り出すことが大切。「脂肪」が燃焼し始めると、疲れ知らずで持久力たっぷりに動ける体になる。



つまり、カラダの軽量化は、日常的なフットワークを軽くし、活動時間(量)を増やすことにもつながるということ。







(参考)

【南雲式健康法】
・夕食のみの一日一食。
・穀物は全粒で食べる。
・野菜は葉ごと、皮ごと、根っこごと食べる。
・魚は頭ごと、腹ごと、骨ごと食べる。
・腹六分目に食べるようにする。
・野菜は生ではなく、火を通してから食べる。
・高麗人参茶かごぼう茶を飲む。
・卵、豆、種、芽を食べすぎない。
・糖分、塩分、脂分を控える。
・肉を食べない。
・お菓子の類は食べない。
・カフェインを摂らない。
・毎日30分間のウォーキングをする。
・紫外線を徹底的に避ける。
・夜10時から午前2時までの時間帯は熟睡する。

ただ、一日一食の空腹健康法は育ち盛りの子供や、閉経前の女性にはおすすめしていない。(私は朝昼の2食にしています。)


腹6分目の適切な量で完全栄養を摂り、体を健康な状態におくことが重要。








「もっとおいしいものが食べたい」「常におなかいっぱいでありたい」という行き過ぎた強欲、絶え間ない満腹感、健康美への無関心が、段々とヒトを怠惰な生き物にかえてしまうのかもしれないな、と改めて思わさせられた本でした。もちろん、本に書かれた健康法すべてを実践する気はありませんが、出会えてよかったなとおもう一冊です。



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